
森山大道さんの「昼の学校 夜の学校+」を読みました。
写真について、カメラについて、表現について、そして生き方について。
読み終えたあとに残ったのは、難しい理論ではなく、もっとシンプルで力強い感覚でした。
とにかく撮ること。
自分の感覚を信じること。
カメラや技術に縛られすぎず、目の前の世界へ出ていくこと。
この記事では、森山大道さんの「昼の学校 夜の学校+」を読んで感じたこと、RICOH GR2との出会い、ジャック・ケルアックの「路上」とのつながり、そして自分自身の写真との向き合い方について書いていきます。
森山大道さんの本が気になっている方、スナップ写真やモノクロ写真に興味がある方、写真を撮る意味について考えている方の参考になれば嬉しいです。
- 昼の学校 夜の学校+ / 森山大道を読んだ
- 森山大道さんを知ったきっかけはRICOH GR2だった
- 森山大道さんの写真をどう見ていたか
- 「昼の学校 夜の学校+」を読んで感じた森山大道さんとの共通点
- ジャック・ケルアックの「路上」と森山大道さん
- 量のない質はない
- 森山大道ismではなく、ぼくismでいきたい
- 写真をやっている人におすすめしたい
- ぼくのスナップカメラはこれだ
- まとめ|昼の学校 夜の学校+を読んで、また写真を撮りたくなった
昼の学校 夜の学校+ / 森山大道を読んだ

今回、森山大道さんのことをきちんと知ろうと思ったのは、連休の過ごし方を考えていたときでした。
撮影の予定がない連休。
それなら、写真やカメラについて学ぶ時間にしようと思いました。
いわゆる「学びウィーク」です。
最初は、最近YouTubeでよく見ていた鈴木心さんの写真集や書籍を読もうかなと思っていました。
そんなタイミングで、たまたまパソコンのメールに届いていたのが、森山大道さん関連の案内でした。

こういうのは、何かの縁なんだと思います。
ならば読んでみようと思い、注文しました。
「昼の学校 夜の学校」と「昼の学校 夜の学校+」があり、+がついている方は内容が追加されたもののようです。
今回ぼくが読んだのは、「昼の学校 夜の学校+」です。
読んでよかったです。
とにかく、おっとこまえ〜!な方だなと、ありとあらゆるところから感じました。
写真を撮る人に読んでほしい一冊
森山大道さんの言葉に触れると、写真を撮ることへの考え方が少し軽くなります。難しく考えすぎているとき、カメラを持って外へ出たくなる本です。
森山大道さんを知ったきっかけはRICOH GR2だった

本当に失礼な話なのですが、知らなかったものを知っていたとは言えません。
ぼくが森山大道さんという写真家を知ったのは、たしか2年ほど前に「なんかカメラがほしいな」と思ったときでした。
手軽に使えるスナップカメラが欲しい。
ポケットに入れて持ち歩けるカメラが欲しい。
そんな気持ちで、コンパクトなデジタルカメラを調べていたときに出てきたのが、RICOH GR2でした。
当時のぼくは、本当にお金がありませんでした。
フィルムで写真を撮る。
現像する。
データ化する。
この流れを続けるだけでもコストがかかります。
フィルムの風合いや雰囲気が好きなのに、それを続けるためのお金がない。
そういう切実な状態でした。
そんなとき、コンパクトデジタルカメラなら、いったん撮影コストは抑えられるんじゃないかと思ったんです。
フィルムのランニングコストから少し逃げたい。
でも写真は続けたい。
そのときに出てきたのがRICOH GR2でした。
そして、RICOH GR2を調べていく中で、森山大道さんの名前も一緒に目にしたのが始まりでした。
その頃は、正直に言えば「森山大道さんという有名な写真家がいるらしい」という程度の認識でした。
RICOH GRシリーズが気になる方へ
スナップ写真を撮りたい人にとって、RICOH GRシリーズは今でも気になる存在です。中古で探す場合は、状態・動作確認・センサーゴミの有無などをしっかり確認するのがおすすめです。
森山大道さんの写真をどう見ていたか

RICOH GR2をきっかけに森山大道さんを知ったものの、結局そのときRICOH GR2は買いませんでした。
なんだか、自分の中で少し違うなと思ったんです。
スナップが撮りたいという欲よりも、フィルムで撮りたい、フィルムを使いたいという気持ちの方が強かったんですね。
カメラにフィルムを入れる。
あれこれ悩みながらフィルムを選ぶ。
装填する。
撮り終えたら現像に出す。
そういう一連の行為そのものが好きだったんです。
だから、その時間を省略するような形になったら、楽しくないかもしれないと思いました。
最近もミラーレスカメラがあったら便利だよなと思うことはあります。
でも、同じような理由で結局買っていません。
便利さだけで考えたら、デジタルカメラは本当に強い。
でも、写真を撮るという行為の楽しさは、便利さだけでは測れないんですよね。
森山大道さんの写真についても、最初は直感的に「好き」とまでは言えませんでした。
こういう写真を撮っている人は他にもいるよな、みたいな見方をしていたのかもしれません。
でも、今ははっきりとかっこいいと思います。
おっとこまえ〜!と思って見ています。
エネルギッシュで、生々しくて、退廃的で、混沌としている。
その写真を見ていると、街のざわめきや、身体の反応のようなものが伝わってくる感じがあります。
自分が同じような写真を撮りたいか、撮れるかと言われると、多分そうではありません。
この人だからかっこいい。
この人の歴史があるからかっこいい。
そう感じます。
森山大道さんの公式ページはこちらです。
「昼の学校 夜の学校+」を読んで感じた森山大道さんとの共通点

「昼の学校 夜の学校+」を読んでいて、ジワジワと共通性のようなものを感じました。
もちろん、森山大道さんと自分を並べるなんておこがましい話です。
ただ、感覚として「わかるなぁ」と思う部分がたくさんありました。
この本は、学生さんたちからの質問に森山さんが答えていくような、一問一答の形式に近い内容です。
学生さんたちは、写真について本当にいろいろな質問をします。
写真とは一言で何ですか。
カメラは何を使えばいいですか。
どうすれば良い写真が撮れますか。
そういった質問に対して、森山さんがとても自然体で答えていきます。
その回答のすみずみに、男前な森山大道がいる感じがして、とても良いんです。
気が張っていない。
無理がない。
若者に対して「写真とはこうだ」と押し付ける感じもない。
かといって、若者に迎合している感じもない。
とてもニュートラルに、本音で答えているような印象を受けました。
それは、ぼくが理想としているあり方に近いものでした。
人にはそれぞれ歴史があります。
だから、全てを大きく否定する必要もないし、無理に肯定する必要もない。
「そうですか」くらいで受け止める感じ。
質問されたら、自分なりの考えは答える。
でも、それは相手を縛るものではない。
「ぼくはこんな感じです」くらいの緩さが、とても良かったです。
ぼく自身はまだまだ未熟です。
熱くなれば相手を否定したくなることもあります。
完全武装してしまうこともあります。
でも、森山さんの回答を読んでいると、自分が理想としている世界にいる方だなと思いました。
ジャック・ケルアックの「路上」と森山大道さん
この本の中で、森山大道さんはジャック・ケルアックの「路上」に触れています。
ぼくはロックやロックンロールが好きで、ボブ・ディランに強く影響を受けました。
そのボブ・ディランが「人生を変えた本」として語ったとされるのが、ジャック・ケルアックの「路上」です。
その「路上」に森山大道さんも影響を受けていた。
それを読んだとき、なんだか答え合わせをされたような気持ちになりました。
だから、あの男前な感じなのか。
だから、「まずは写真をたくさん撮ろうよ」というようなことを言えるのか。
そう思いました。
森山大道さんを好きになったきっかけは、いくつもあります。
・カメラは別になんでもいいという感じ
・まずは写真をたくさん撮ろうという姿勢
・量のない質はないという考え方
・「ぼくはこんな感じです」という押し付けのない雰囲気
・ジャック・ケルアックの「路上」に影響を受けていること
このあたりが、自分の中で強く響きました。
「路上」もあわせて読みたい一冊
森山大道さんの言葉に惹かれた方は、ジャック・ケルアックの「オン・ザ・ロード」もかなり相性が良いと思います。写真、旅、ロック、自由という言葉に反応する人には刺さるはずです。
量のない質はない

文中に「量のない質はない」という言葉が出てきます。
とにかく、そういうことなのだろうと思いました。
THIS IS 森山大道。
写真をたくさん撮る。
まずは撮る。
撮らないことには何も始まらない。
これは写真に限らず、あらゆる表現に通じることだと思います。
ぼくにも、ろくすっぽ仕事もせずに「やりたいことだけやるんだ」みたいな時代がありました。
フィルムを買うのも、現像に出すのも困った時代がありました。
それでも壊れたカメラを直すために分割払いにしたり、欲しいギターがあればないお金をしぼり出して買ったりしていました。
今思うと、本当に自由に好き勝手やってきたなと思います。
でも、森山さんも文中で、いろいろな時代があったと振り返っています。
その話を読んでいると、とてもブルージィでロックンロールな方なんだなということが伝わってきました。
いつか夕暮れの寂れた街の片隅で、ギター一本で歌うブルースマンと仲良くなったことがありました。
履き潰されたデニムに、タイトなデニムジャケット。
渋いアコースティックギターで、ロバート・ジョンソンやライトニン・ホプキンスを歌う中年ブルースマン。
その横で、洗濯板のようなものでリズムをとる中年女性がいました。
その人に、
「きみも音楽をやるなら、もっと青い気持ちにならないといけないよ」
と笑って言われました。
そのときぼくはまだ25歳くらいで、
「まだ全然青いけどなぁ」
と思っていました。
さらにその女性は、
「本当の貧乏にならないとブルースマンにはなれないわよ」
と言いました。
当時のぼくは、その言葉にあまり共感できませんでした。
別にブルースってそういうことじゃないだろう、と思っていたんです。
でも、どうにもならないということを経験しないと、本当のブルースマンにはなれないというのは、今なら少しわかる気がします。
フィルムを買うお金も、現像に出すお金もない。
それでも写真を続けたい。
そういう時期があったからこそ、今の自分の写真や文章があるのかもしれません。
森山大道ismではなく、ぼくismでいきたい
森山大道さんの本を読んで、強く影響を受けました。
でも、森山大道さんになりたいわけではありません。
森山大道ismをそのままコピーしたいわけでもない。
ぼくはぼくなりのやり方で、この時代とうまくやっていきたい。
やりたいことを続けていきたい。
だから、ぼくはぼくなりのぼくismを貫いていきたいと思います。
母親が癌で亡くなっても、母親のように育ててくれたひいばあちゃんが亡くなっても、父が亡くなっても、ぼくは「どん底だ」とは思えませんでした。
どこか他人の話のようで、でも確かに自分の中に残っている。
そんな感覚があります。
つらいことや悲しいことを、そのまま真正面から受け止めるだけではなく、どこかで逆手にとって笑いに変えたら最強じゃないかと思っています。
これは逃げではなく、自分なりの生き方です。
だから写真も、文章も、音楽も、ぼくはぼくのやり方で続けていきたい。
そう思わせてくれた意味でも、「昼の学校 夜の学校+」は読んでよかった一冊でした。
写真をやっている人におすすめしたい
写真をやっている人。
これから写真を始めようと思っている人。
打ちひしがれている人。
自分が何者かになりたいと思っている人。
そういう人に、この本はおすすめです。
何者かにならなくたって、あなたはもうあなたです。
ぼくはそんなふうに受け取りました。
写真を撮ることは、もっと自由でいい。
カメラはなんでもいい。
まずは外に出て、たくさん撮ればいい。
もちろん、それを続けることは簡単ではありません。
でも、難しく考えすぎて何も撮れなくなるくらいなら、まずは撮った方がいい。
この本を読んで、そんな当たり前のことを改めて思いました。
音楽でよく言うのですが、コピーするのは音じゃなくて、心だと思っています。
写真も同じだと思うんです。
森山大道さんの写真の表面だけを真似するのではなく、その奥にある心や姿勢に触れる。
その方がずっと大事なんじゃないかと思いました。
ぼくのスナップカメラはこれだ

昨年、父親が亡くなったとき、父親の自室を掃除していたら出てきたカメラです。
普段、ちょっとした旅行に行くときに持っていたのでしょう。
生前、デスクの上に置いてあったのは知っていました。
でも、まさかこのカメラがぼくのスナップカメラになるとは思っていませんでした。
父が亡くなってから、大切に持っています。
レンズはツァイス。
軽いし、ポケットにも入る。
これでぼくも、新宿を撮ってみようかなと思いました。
RICOH GR2ではなく、父のコンデジ。
それもまた、ぼくらしいスナップカメラなのかもしれません。
まとめ|昼の学校 夜の学校+を読んで、また写真を撮りたくなった
森山大道さんの「昼の学校 夜の学校+」を読んで、改めて写真を撮りたくなりました。
写真について難しく考えすぎていた部分が、少しほどけた気がします。
カメラはなんでもいい。
まずはたくさん撮る。
量のない質はない。
自分の感覚で街へ出る。
このシンプルで強い言葉たちが、今の自分にとても響きました。
森山大道さんのようになる必要はない。
でも、森山大道さんの言葉や姿勢に触れることで、自分の写真との向き合い方を見直すことはできる。
そういう意味で、この本は読んでよかったです。
写真を撮っている人、写真に少し行き詰まっている人、カメラよりもまず気持ちを動かしたい人には、とてもおすすめです。
ぼくもまた、自分のスナップカメラを持って、外へ出ようと思います。
今回も最後まで読んでくれありがとうございます。
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