2020年9月15日〜10月15日のあいだクロスバイクで走った1900km
四国お遍路八十八ヶ所旅について写真をみながら振り返っています。
前回の#2からの続きになります、最後まで宜しくお願いします。
クロスバイクで四国を一周してみよう!【つづき】
前回の記事、#2からの続き
徳島港からすぐに香川県にはいり、逆打ちスタート
それから愛媛へと移動を続けます。
だいたい毎日100kmぐらい走ればいいかなってぐらいの予定で
お寺さんの納経時間と距離などを考えて自転車に乗っていました。
ぼくは少しずつ自分のペースというものを掴めてきたので
あんまりからだに負担なく走ることができるようになり始めたところでした。
ホームシック
そういえば、今までいろんな旅をしてきたけれど
アメリカに一ヶ月いたときは結構ホームシックになっていたんですけど
最近はそういう感覚がないことに、この旅の途中に気づいた。
と、いってもアメリカにいるときのホームシックというのは
完全に食事の問題が大きかったので、国内を転々とする旅なら
ホームシックなんかにゃならないわけだ、毎日自転車に乗っかって
移動を続ける日々がだんだんおもしろくなってきたけど
でも、やっぱり坂や山には毎日ビクビクしていた。
それだけ本当にからだにかかる負担は大きくて
荷物もたくさんあるのがしんどかったなぁ、うん。
横峯寺
愛媛にある横峯寺はこの旅最難関と(勝手に)ぼくたちの中では話していて
とりあえず第60番札所に来るまで既にぼくは満身創痍な状態ということもあり
ぼくは横峯寺に自転車でアタックするのはやめました。
友達はひとりでもいくということだったので、それを応援する形で
ぼくはバスに乗り山頂まで。
とにかくひどい悪路を進んで山頂にいったんだけど
友達はかなり早いペースで上まであがっていった。
荷物は預けていったのもよかったのかもしれないが
ぼくの友達は本当に頑張ったんだと思う、あの傾斜と悪路を自転車で登っていくなんて
この旅で、2人ともはじめてのロングライドなのに
彼は本当に頑張ったよ...尊敬できる域に達していた。
バスでの30分
横峯寺を自転車であがることを選択しなかったぼくは
そこそこ高いお金を払いバスに乗って30分
横峯寺までバスに乗っていた。
ぼくの友達は荷物を預け自転車でアタックをしはじめていたんだけど
このバスに乗っていたのは、ぼくともう1人の乗客の2人だった。
もう1人の乗客は40代〜50代ぐらいの中肉中背の男性で
バスが発車してからぼくに声をかけてきた。
「ともだちは自転車でいくんですか?」
「はい、そうみたいです。ぼくはバスを選びましたが、友達は挑戦するみたいで」
「バスを選んで正解ですよ。」
「私は横峯寺は何度もきていますが、初心者の人ではあがるのは本当に辛いと思います。」
「バスを選んで正解です。」
ぼくは自分の力量というか、レベルというものを弁えたつもりで
このバスに、そこそこの高いお金を払って乗り込んだのだけど
そう言われちゃうと、チャレンジした友達を応援したくなった。
ぼくにはまだ早いと思えた横峯寺を彼にはしっかりゴールしてもらいたいと思ったし
なにより、「正解です」と言われちゃうとね、
やっぱり「正解」はチャレンジすることだと
ぼくは思うので、チャレンジした友達を応援していた。
というのも、友達は前の日の夜「明日、本当にきつかったらバス停まで戻って普通にバスでのぼる」と
少しだけ弱気なことも言っていたこともあって、応援する気持ちをもったまま
ぼくは横峯寺のバスに乗っていた。
霊跡 星ヶ森 横峯寺 奥の院
一足先に横峯寺に到着したぼくは
すぐに納経を済ませ、納経帳に記帳していただき
30分足らずで、このお遍路旅最難関(?)と囁かれている山を制覇してしまったこともあり
少しだけブラブラすることにした。
実際にバスであの悪路、あの傾斜をみていたので
ロードバイクの彼でも相当時間がかかるだろうと思っていたから
ちょっとのんびりすることにした。
ぼくたちは既に毎日足はパンパンにはっていて
普通に歩くのもなかなかきつい状態だったので
例えバスに乗って横峯寺にあがったとしても足は相変わらずの状態で
たかが数キロの距離を歩いて奥の院にいくのも、それなりに大変だった。
息をきらしながら到着したこの霊跡 星ヶ森は霧がなかったら
すごくよい景色がみれるのだと、すれ違った登山の方に教えてもらった。
「今日はあいにく、石鎚山はみえませんが、どうぞこの道を進んでください。」
この日、霧があり確かにこのもやの先にあるであろう石鎚山は見えなかったけど
ここまで歩いてよかったと思える気持ち良さがあった。
大成功
横峯寺の散策を終え、バスに乗り込んだら
先ほどの男性は既にバスに乗っていて、運転手さんには「遅いから心配しちゃったよ」と言われた。
ぼくたち2人のためにバスはあがってくれて、そしてぼくが戻ったので
これから降りるのか。
先ほど声をかけてくれた乗客の男性とは言葉を話すことはなく
そのあいだ、連絡がいまだにない友達に連絡をした。
「今どのあたり?」
坂をくだる途中で友達とすれ違うことを期待していた。
それだけ傾斜がひどく、悪路だったので
それだけ時間がかかるだろうと思っていたのだ。
連絡をしてから少しして「今、つきました」と連絡があった。
彼は予想より早い時間で横峯寺まであがってきたようで
ぼくがバスで降りている間にも彼とすれ違うことはなかった。
横峯寺を降りてからはまたLSD(ロングスローディスタンス)
長い距離をゆっくりと走るスタイルで次の寺まで向かった。
友達ははるか後方にいて、友達ものんびりぼくのあとを追いかけるように
次の寺を目指した。彼のチャレンジは大成功をおさめた!
【 #3 完 】
#1 、 #2も読んでね