
新宿三丁目の新宿眼科画廊で開催中の青山裕企 写真家20周年記念展「写真と青春」へ行ってきました。個展タイトルどおり、青山さんの歩みを総覧できる内容で、「ソラリーマン」「スクールガール・コンプレックス」「少女礼讃」など代表作の系譜が一堂に並び、20年の地層が手触りとして伝わってきます。会期・時間・会場の詳細は、新宿眼科画廊の公式ページをご確認ください(入場無料/木曜休廊あり)。
1. 会場でまず感じたこと(展示構成と“青春”)

会場に入って最初に感じたのは、シリーズごとに異なる「体温」の違いでした。ビジネス街で跳躍するスーツ姿の「ソラリーマン」には社会の重力から一瞬解放されるような可笑しみと切実さがあり、学生文化の象徴を捉えた「スクールガール・コンプレックス」や「少女礼讃」には、匿名的でありながら確かな個の輪郭がたちのぼります。これらが「青春」という大きなフレームに並置されることで、青山作品の核にある“記号と個の反復”が立体的に見えてきました。
タイトルの「写真と青春」には、20年という時間の重みと、写真が持つ不可逆性が響き合っています。青春は過去になると同時に、現在も更新され続ける心的な状態でもある。写真はその更新に寄り添い、時に先回りして「もう戻らない瞬間」を提示してくれます。青山さんの展示は、その再現と再発見の装置として、とても素直でした。
2. 青山裕企という写真家について(略歴・代表作)

青山 裕企 | Special|Creator's Value クリエイターズ・バリュー
青山裕企さんは1978年、名古屋市生まれ。2005年に写真家として独立し、受賞歴にキヤノン写真新世紀優秀賞があります。代表作は『ソラリーマン』『スクールガール・コンプレックス』『少女礼讃』など。“日本社会における記号的な存在”をモチーフに、匿名性と個の気配が共存するポートレートを数多く発表してきました。『スクールガール・コンプレックス』は映画化もされ、著作は翻訳を含め多数にのぼります。最新のプロフィールは青山さんの公式サイトをご参照ください。
今回の企画は写真家20周年記念展で、「Then(いままで)」という副題のとおり、これまでの代表的な作品・著書・仕事を一堂公開する総覧構成です。レセプションやトークイベントの日程は、展示ページで最新情報をご確認ください。
3. 「少女礼讃」をどう観るか:記号・まなざし・倫理

結論:私は「少女礼讃」を、“記号としての〈少女〉をどう映すか”という視点で観ました。そこにあるのは、個人の肖像でありながら、社会が投影してきた「少女」という概念の層を可視化しようとする試みだと感じます。
まず、描写は非性的であることが大前提です。モデルの尊厳と安全が守られ、年齢・学校・地域など個人を特定し得る情報への配慮がなされていること。そして、被写体の同意や制作体制の透明性は、現代のポートレートにおいて不可欠です。私は、会場で提示されるイメージを、その倫理の土台とともに受け取りました。
一方で、「少女」を社会の記号として扱うとき、観客は自分の視線をも問われます。撮影者が距離と構図で保とうとする「安全な間合い」を、鑑賞者が読み取れるか。露出やポーズではなく、立ち姿・手の位置・視線の方向といった非劇的な所作に、作者の設計が宿ると感じました。その“間”の設計は、青山さんの他シリーズ(例:「ソラリーマン」)にも通底しており、記号(制服・スーツ)と個(その人の佇まい)を同じ画面で響かせる試みとして統一的です。
本記事は作品の倫理面に配慮し、性的な描写や過度な解釈を行いません。作品は作者と被写体、そして鑑賞者の間に成り立つ共同作業でもあります。私たち観客は、その共同作業の一端を担う者として、尊重と節度を持って向き合うべきだと考えています。
4. 私的ハイライト:余白の使い方と“距離”の設計

今回の展示で強く残ったのは、余白の使い方でした。画面の端に漂う空間、被写体と背景の距離、プリントのサイズが生む“呼吸”。被写体の表情が過剰に説明しないぶん、こちらの記憶の引き出しが自然と開いていきます。私は「少女礼讃」の前でしばらく足を止め、“どの距離で立つと呼吸が合うか”を何度か探りました。半歩下がると、個が社会の記号に埋没せず、逆に半歩近づくと、記号が個の背後に退きます。その往復運動こそ、青山作品の読み方の一つかもしれません。
また、シリーズ横断で見ると、身体のラインではなく、姿勢の重心に作者の興味があるように感じました。跳ぶ、立つ、歩く、止まる——小さな運動の前後に潜む意志。記号化される身体が、ある瞬間だけ個へと回帰する。その刹那を待つ視線が、展示全体の“温度”を統一していました。
5. これから観に行く方へ:混雑・時間帯・鑑賞のコツ

- 時間帯:平日の昼〜夕方は比較的ゆったり鑑賞できました。水曜は17時まで、木曜休廊なのでご注意を。最新情報は展示ページで確認してください。
- 作品との距離:前述のとおり、半歩の前後で印象が変わるタイプの写真です。複数回、立ち位置を変えてみると発見があります。
- 図録・書籍:入門には代表作の写真集が最適です。展示後に読み返すと理解が一段深まります。
- アクセス:会場住所と地図は公式ページをご確認ください。
6. 書籍で深掘り(Amazon/Rakuten)
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7. 展示情報・関連リンク
- 展示ページ:新宿眼科画廊|青山裕企「写真と青春」
- 作家サイト:yukiao.jp(青山裕企 公式)
- 会場アクセス:住所・地図・開廊時間は上記展示ページで最新情報をご確認ください(木曜休廊/入場無料の案内あり)。
8. まとめ:「写真と青春」と私の現在地

写真は、被写体、撮影者、鑑賞者の三者で立ち上がるものだとあらためて思いました。「少女礼讃」は、その三者の関係を最も繊細に要求するシリーズです。匿名化された記号と、そこに宿る個の気配。そのあわいを見つめることは、社会の眼差しを見つめ直すことでもあります。
青山裕企さんの20年間は、記号と個の両極を何度も往復しながら、“人が社会に引き寄せられつつも、社会を少し押し返す”瞬間を、軽やかに、しかし真剣にすくい上げてきた歴史だと感じました。会場を出ると、新宿の風景が少し違って見えます。制服でも、スーツでもない普段着の人々の歩き方に、あの写真の重心が重なって見えるのです。
「写真と青春」というシンプルな組み合わせの中に、これほど多くの時間と問いが詰め込まれていること。その豊かさに触れられただけでも、会場へ足を運んだ価値がありました。
今回も最後まで読んでくれありがとうございます。
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