
はじめてのインド旅行。
空港からメトロに乗ってニューデリー駅へ向かい、これからアーグラ行きの鉄道チケットを買おうとしていた僕が、いきなり遭遇したのがニューデリー駅周辺の詐欺でした。
結論から言うと、友人の助言がなければ、かなり危ないところまで巻き込まれていたと思います。
この記事では、僕がニューデリー駅で実際に遭遇した詐欺の手口を、できる限り事実ベースでまとめます。
インド旅行、とくにニューデリー駅から鉄道チケットを買おうとしている方、外国人専用窓口へ向かう予定の方は、ぜひ事前に読んでおいてください。
「知っているだけ」で避けられるトラブルがあります。
- ニューデリー駅で騙されないために最初に知っておくこと
- はじめてのインドで体験したニューデリー駅の詐欺
- EP1:始まりは一人の駅員風の男
- EP2:雨のニューデリーでリキシャに乗ってしまった
- EP3:インドとパキスタン、そしてISISの話で不安を煽られる
- EP4:DTTDCを名乗る場所で鉄道チケットが売り切れと言われる
- EP5:シゲタトラベルを名乗る電話
- EP6:友人の言葉「サンタナ」を思い出す
- EP7:友人に電話して、すべてが詐欺だと気づく
- EP8:30ルピーが3000ルピーに変わっていた
- 後日談:サンタナに確認したら、やはり詐欺だった
- ニューデリー駅の詐欺で学んだこと
- インド旅行初心者に伝えたい注意点
- あわせて読みたい関連記事
- まとめ|ニューデリー駅では「声かけを無視する」が最重要
ニューデリー駅で騙されないために最初に知っておくこと
まず、ニューデリー駅周辺で詐欺に遭わないために、最初にこれだけは覚えておいてください。
・ニューデリー駅周辺で声をかけてくる人は基本的に無視する
・ニューデリー駅はチケットがなくても入れる
・ニューデリー駅が夜の時間で突然閉まる、という話は信用しない
・外国人専用窓口は営業時間内であれば開いている
・「外国人専用窓口は閉まっている」「場所が変わった」は無視する
・DTTDCや政府観光案内所へ連れて行くと言われたら注意する
・リキシャに誘導されたら、その場で断って離れる
ニューデリー駅の外国人専用窓口への行き方については、こちらの記事で詳しくまとめています。
この記事とあわせて読んでおくと、現地でかなり冷静に動けると思います。
はじめてのインドで体験したニューデリー駅の詐欺
空港からメトロを使ってニューデリー駅に向かい、外国人専用窓口を探していました。
右へ左へとキョロキョロしながら歩いていると、当然のようにいろいろな人から声をかけられます。
事前に「外国人専用窓口は閉まっている」「今は別の場所に移動した」などと言ってくる詐欺があることは知っていました。
それでも、実際に現地で疲れていて、荷物が重く、雨が降っていて、さらに英語でまくし立てられると、人は冷静な判断ができなくなります。
僕もまさにそうでした。
EP1:始まりは一人の駅員風の男

ニューデリー駅は、空港から直行で来る人も多く、観光客と現地の人でごった返しています。
人が多い場所には、観光客を狙う人も多い。
これは本当にその通りでした。
外国人専用窓口までの行き方に困っていた僕は、駅構内で荷物検査をする場所を通過しようとしていました。
すると、一人の駅員のような男性が僕に声をかけてきました。
英語が得意ではない僕は、「INTERNATIONAL TOURIST!」と伝え、どこにあるのかを身振り手振りで聞きました。
すると彼は、ものすごく早い英語でまくし立てるように説明してきました。
彼は駅員のような服装で、荷物検査の場所で大声を出しながら働いているように見えました。
だから、完全には疑いきれなかったのです。
彼は仕事を止め、ポケットから地図を取り出し、何かを教えてくれました。
それでも僕が理解できていない態度を示すと、紙にボールペンで「taxi Rs.30」と書いて見せてきました。
そして、「とりあえずついてこい」というように手招きしてきました。
この時点で、本来ならついていってはいけません。
しかし、雨、疲労、重たい荷物、慣れない場所、英語でのまくし立て。
これらが重なって、僕はフラフラとついていってしまいました。
ここから、悪夢のような3時間が始まります。
EP2:雨のニューデリーでリキシャに乗ってしまった

駅員風の男に手招きされて連れて行かれたのは、駅前にリキシャがたくさん並んでいる場所でした。
「なんでリキシャ?」と思っていると、40代くらいの男性がこちらに駆け寄ってきました。
駅員風の男とリキシャの運転手は、少し話をしたあと、僕の方へ寄ってきて、二人で一気にまくし立ててきました。
英語の理解が遅い僕は、この時点ですでにかなりうんざりしていました。
荷物は重い。
雨で服は濡れている。
ニューデリー駅の喧騒の中で、何が正しいのか判断できない。
駅員風の男は、「government!government!」と連呼し、リキシャの後ろに貼られたステッカーを指差しました。
リキシャの運転手は、「Hey!Hey!」とリキシャに乗れと促してきます。
そのとき、駅員風の男がさっき書いた「taxi Rs.30」のメモを僕に見せたうえで、リキシャの運転手に渡していました。
「government」という言葉。
30ルピーという、当時の日本円で50円ほどの金額。
それを見て僕は、「政府が管理している観光案内所に連れて行ってくれるのかもしれない」と認識してしまいました。
今考えると、本当に危ない判断です。
でもその時は、完全に流れに飲まれていました。
EP3:インドとパキスタン、そしてISISの話で不安を煽られる
雨の中、なんとなく信用して乗ってしまったリキシャ。
走り出すと、さっきまでのようにまくし立てる感じではなく、運転手は少し落ち着いた話し方になりました。
「走り出したら携帯は出さないでくれよ。危ないから」
「名前は何ていうんだい?」
「年齢はいくつだい?」
わかりやすい英語で話してくれたので、僕は素直に答えてしまいました。
すると彼は、こんな話をし始めます。
「君は今、パキスタンとインドがどういう情勢か知っているか?」
「今、ニューデリーは危険だ」
「夜も遅いし、ニューデリーにはいない方がいい」
「ISISのやつらもこのあたりにいるという噂だ」
この話を聞いて、僕はドキッとしました。
確かに、ニューデリー駅周辺では警察官らしき人が銃を持っている姿を何度も見ていました。
日本で見ていたニュースの記憶もあり、「確かに危険なのかもしれない」と思ってしまったのです。
さらに彼は続けました。
「これからDTTDCというところへ行く」
「観光案内所だから、そこでいろいろ聞いてみな」
「鉄道チケットのことも、宿のことも、安全な場所も教えてくれる」
この時点で、僕は完全に信用してしまっていました。
偽の観光案内所詐欺があることは、地球の歩き方などでも読んで知っていたはずなのに。
雨、疲労、ニューデリーの混乱、政治的な不安、政府という言葉。
それらが重なって、判断力が鈍っていたのだと思います。
インド旅行前に、紙のガイドブックを1冊持っておくと安心です。
スマホが使えない場面や、現地で混乱したときに、紙の情報があるだけでかなり落ち着けます。僕も事前に読んでいたのに、現地では判断が鈍りました。だからこそ、旅先では「何度も見返せる情報」を持っておくのは大切だと思います。
EP4:DTTDCを名乗る場所で鉄道チケットが売り切れと言われる
雨のニューデリー。
重たい荷物。
駅員風の男からの声かけ。
「government」という言葉。
30ルピーで案内してくれるという安心感。
さらに、パキスタン問題やISISの話。
こうした流れの中で、僕は言われるがままにDTTDCらしき場所へ到着しました。
リキシャの運転手は、「待っているから、とりあえず話してきな」と言いました。
そして、「終わったら声をかけてくれ。また乗せていくよ」と、とても親切そうに振る舞っていました。
建物は古びたビルで、1階と2階に分かれていました。
1階では現地の人が何か相談しているようで、僕は2階へ案内されました。
階段を上がり、扉を開けると、それっぽいデスクにメガネをかけた優しそうな男性が座っていました。
僕は向かいの椅子に座り、片言の英語で伝えました。
「今夜中にアーグラへ行きたい。アーグラ行きの鉄道チケットを買いたい」
すると彼はパソコンをカチカチと操作し、難しい表情を浮かべてこう言いました。
「今日はアーグラまでの鉄道チケットはもう売り切れている」
「現在、パキスタンとの問題でニューデリーは危険だから、ここにはいない方がいい」
今夜アーグラへ行けないとなると、予約済みの宿泊先も無駄になる。
翌日のタージマハル観光もできなくなる。
そして、今夜どこに泊まればいいのかもわからない。
外は土砂降り。
体力も限界。
一気に不安になりました。
すると彼は、さらにこう提案してきました。
「ニューデリーは危険だから出た方がいい」
「鉄道チケットがないから、ここからアーグラまでタクシーで行くしかない」
「タクシーなら36,000ルピーで手配できる」
36,000ルピー。
日本円にして5万円以上。
そんな大金を払えるわけがありません。
完全に絶望しました。
EP5:シゲタトラベルを名乗る電話
絶望してうなだれていると、担当者はこう言いました。
「シゲタトラベルに電話するから、少し話してみてくれ」
日本語が話せる人がいるから、その人と話せということでした。
当時の僕はシゲタトラベルという名前を知りませんでしたが、日本語で話せるという安心感から、すぐに受話器を取りました。
僕は電話の向こうの人に、今の状況を説明しました。
・外国人専用窓口がどこにあるのかわからなかったこと
・駅員風の男に声をかけられたこと
・リキシャに乗って今ここにいること
・アーグラへの鉄道チケットが売り切れていると言われたこと
・36,000ルピーでタクシー手配を提案されていること
すると電話の向こうの人は、こう言いました。
「今、ニューデリーは確かに危険だからいない方が良い」
「ニューデリーのホテルは高い」
「今あなたがいるDTTDCは政府の観光案内所だから安心」
「そこで提案された内容が一番安心だと思う」
この時点で、僕の中に違和感が生まれました。
36,000ルピーなんて払えるわけがない。
それが最善だというなら、危険でもニューデリー駅のホームで眠る方がまだマシだ。
そう思い、電話を切りました。
EP6:友人の言葉「サンタナ」を思い出す
ここで思い出したのが、インド経験のある友人の言葉でした。
彼とはSNSで知り合い、今回のインド旅について少し話をしていました。
そのときに、こう教えてくれていたのです。
「もしニューデリーで何か困ったことがあったら、日本人宿のサンタナを尋ねるといいですよ」
その言葉を思い出し、目の前の担当者に「サンタナに電話してほしい」と伝えました。
サンタナに連絡して状況を説明し、泊まれるか確認しよう。
それが今の最善だと思ったのです。
担当者はパソコンでサンタナを調べ、電話をかけてくれました。
そして、すぐに僕に受話器を渡してくれました。
日本語が話せる人が出て、事情を説明し、宿泊できるか確認すると、こう言われました。
「今日、明日、明後日はもういっぱいで宿泊できません」
ただ、少し違和感がありました。
日本人宿で日本人が常駐していると聞いていたのですが、電話の向こうの人は日本人ではないように感じたのです。
もう、これ以上ここにいても仕方がない。
とりあえずニューデリー駅へ戻ろう。
駅なら雨はしのげる。
そこで落ち着いて考えよう。
そう決めました。
EP7:友人に電話して、すべてが詐欺だと気づく
建物の外に出ると、リキシャの運転手が声をかけてきました。
「どうだった?これからどうする?」
僕は、とりあえずニューデリー駅に戻ってくれと伝えました。
すると彼は、こう言いました。
「なんでニューデリー駅なんだ?」
「ニューデリー駅は20時半には閉まる」
「チケットがないと中に入れない」
ここで、ハッとしました。
あれだけ人でごった返しているニューデリー駅が、そんな簡単に閉まるのか。
チケットがないと中に入れないなんて、本当なのか。
そこで、友人に電話することにしました。
SNSでメッセージのやりとりはしていましたが、電話したことはありません。
それでも、LINEでつながっていたので、ダメ元で電話しました。
すると彼は、明るく電話に出てくれました。
その声を聞いた瞬間、なぜか一気に安心しました。
僕は、これまでの状況をできるだけ冷静に説明しました。
すると彼は、笑いながらこう言いました。
「あ〜、それ多分全部詐欺っすね」
「嘘ですよ、そいつら全員言ってること」
「アーグラまでなら数百ルピーとかそんなもんだと思います」
「そんな高いお金ありえないです」
「電車がないなんてこともないと思いますよ」
その瞬間、すべてがつながりました。
そうか。
これが詐欺か。
全部騙されていたのか。
そう理解した瞬間、不思議と笑いがこみ上げてきました。
「これがインドか!」
「これがインドの洗礼か!」
「すごいな、インド!」
今までずっと不安で険しい表情をしていたと思います。
でも、この瞬間に全部わかりました。
僕は、彼らの劇場型詐欺のストーリーに巻き込まれていたのです。
EP8:30ルピーが3000ルピーに変わっていた

友人との電話で状況を理解した僕は、とにかくニューデリー駅へ戻るようリキシャの運転手に伝えました。
すると、彼の表情はだんだん険しくなっていきました。
道中でも、
「駅には入れないぞ」
「友達はどこにいる?」
「友達と電話させろ」
など、いろいろ言ってきました。
でも、もうすべて無視しました。
とにかくこいつと離れたい。
それだけでした。
ニューデリー駅に到着すると、降りて駅へ向かおうとした僕に、一人の男性が近寄ってきました。
そして、こう言ってきました。
「チケットは持っているか?」
「もう21時を過ぎているから駅には入れないぞ」
おそらく、これも詐欺グループの仲間だったのだと思います。
リキシャの運転手が、駅に戻る途中で電話していた相手だったのかもしれません。
僕はすべて無視して歩き出しました。
すると、リキシャの運転手が思い出したように駆け寄ってきました。
「ギブミーマニー!ギブミーマニー!」
今までにない強い口調でした。
そして彼は、ポケットから駅員風の男に渡されたメモ用紙を取り出し、僕に見せてきました。
僕は、30ルピーだろうと思っていました。
しかし、そのメモ用紙には、
「taxi Rs.30」
と書いてあったはずが、
「taxi Rs.3000」
と書かれていたのです。
ゼロが増えていました。
笑ってしまいました。
ここまでくると、もう本当に漫画のようでした。
僕は厳しい口調で断り、30ルピーを渡そうとしました。
しかし、あまりにもしつこいので、最終的には100ルピーを投げるように渡して、その場を離れました。
彼は肩に触れて怒鳴ってきましたが、もうどうでもよかったです。
後日談:サンタナに確認したら、やはり詐欺だった

かなりの紆余曲折はありましたが、その後、どうにか外国人専用窓口までたどり着き、問題なくアーグラ行きの列車に乗ることができました。
アーグラで少し落ち着いたあと、日本人宿サンタナに念のため事実確認のメールを送りました。
すると、すぐに返信がありました。

やはり、あの電話も含めてグループだった可能性が高いのだと思いました。
サンタナのスタッフさんは、とても優しく対応してくださいました。
次にインドへ行くときは、ニューデリーで一泊して、サンタナを予約しようと決めました。
また、シゲタトラベルという名前自体は、有名な旅行会社さんのようです。
つまり、有名な会社名を出すことで、その場で安心感を与えようとしたのだと思います。
人は騙されるとき、いろいろな状況や情報を、自分に都合よく解釈してしまうのだと感じました。
今回の旅の始まりで、それを痛感しました。

最終的には、どうにか列車に乗り込むことができました。
しかし、あれほど時間を費やすとは思いませんでした。
結局、アーグラの街に到着したのは深夜のAM2:30。

くたくたでヘトヘトでした。
ただ、この経験があったからこそ、その後の旅ではリキシャの値段交渉や声かけへの対応がかなり冷静にできるようになりました。
ニューデリー駅の詐欺で学んだこと
今回の経験から学んだことは、かなりシンプルです。
知らない人についていかない。
駅員風でも信用しない。
政府、観光案内所、DTTDCという言葉に安心しない。
チケット売り切れ、駅が閉まる、外国人窓口が移動した、という話を鵜呑みにしない。
少しでも違和感があれば、その場を離れる。
これだけです。
でも、現地ではこのシンプルなことが本当に難しくなります。
疲れていると、判断力は落ちます。
雨に濡れていると、早くどこかへ行きたくなります。
英語でまくし立てられると、面倒になって従ってしまいそうになります。
だからこそ、事前に知っておくことが大切です。
インド旅行初心者に伝えたい注意点
インド旅行、とくにニューデリー駅周辺では、まず無視する勇気が必要です。
冷たく見えるかもしれません。
でも、自分を守るためには必要です。
すべての人が悪いわけではありません。
インドでは本当に優しい人にもたくさん出会いました。
でも、ニューデリー駅周辺で旅行者に声をかけてくる人の中には、明確に観光客を狙っている人もいます。
特に到着初日、空港からメトロでニューデリー駅に来た直後は狙われやすいです。
まだ現地の空気にも慣れていないし、荷物も多い。
まさに僕がそうでした。
最初の数時間こそ、いちばん気をつけてください。
海外旅行では、荷物を軽くしておくことも防犯対策になります。
荷物が重いと、判断力も行動力も落ちます。駅や街中で声をかけられたとき、すぐに離れられる身軽さはかなり大事です。バックパックやサブバッグは、旅のしやすさに直結します。
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まとめ|ニューデリー駅では「声かけを無視する」が最重要
今回は、僕がニューデリー駅で実際に遭遇した詐欺の手口をまとめました。
駅員風の男に声をかけられ、リキシャへ誘導され、政府観光案内所のような場所へ連れて行かれ、鉄道チケットが売り切れだと言われ、高額なタクシーを提案される。
さらに、日本語が話せる旅行会社のような電話まで用意されている。
本当に劇場型の詐欺でした。
でも、冷静に考えればおかしなことばかりです。
ニューデリー駅はチケットがなくても入れます。
外国人専用窓口も営業時間内なら開いています。
駅が突然閉まるという話も、外国人窓口が移動したという話も、鵜呑みにしてはいけません。
インドは本当に面白い国です。
旅の中で、優しい人にもたくさん出会いました。
でも、観光客を狙う詐欺があるのも事実です。
だからこそ、事前に知っておくこと。
現地で焦らないこと。
そして、怪しい声かけは徹底的に無視すること。
これが大切だと思います。
この体験談が、これからインドへ行く誰かの役に立てば嬉しいです。
今回も最後まで読んでくれありがとうございます。
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