
今年のゴールデンウィーク、村上春樹さんの『辺境・近境』に収録されている短編「神戸まで歩く」をなぞるように、西宮から神戸・三宮方面まで歩いてきました。
作品の舞台を自分の足でたどるというのは、ただの散歩とも、ただの聖地巡礼とも違う、不思議でとても楽しい体験でした。
この記事では、実際に歩いたルート、旅の背景、神戸の街で感じたこと、そして最後にたどり着いた老舗ピザ店までの記録をまとめます。
- なぜ『辺境・近境』の「神戸まで歩く」をなぞって歩こうと思ったのか
- 5月1日の深夜、高速バスに飛び乗って関西へ
- AIにルートを聞いたら間違っていた。だから小説を読みながら歩くことにした
- 西宮から歩き始める。5月の晴天とサングラスが必要な陽気
- 西宮神社、夙川、オアシスロードへ。作品と現実が重なり始める
- 高層アパートとモノリスのような景色。震災後の街を歩くということ
- 村上春樹さんが通った中学校の前へ。文章を頼りに街を歩く楽しさ
- 六甲駅を過ぎたあたりでお祭り。そして緊急地震速報が一斉に鳴った
- マクドナルドで回復しながら、三宮を目指す
- 三宮に到着。二宮温泉で汗を流してから、ピノッキオへ
- 小説の世界に身体ごと入る。村上春樹作品をなぞって歩く楽しさ
- 今回のルートと歩行距離。目安は20〜30kmくらい
- 村上春樹さん好きが同じルートを歩くなら持っていきたいもの
- 村上春樹さん関連の場所も、また別記事で紹介したい
- まとめ|『神戸まで歩く』をなぞって歩く旅は、最高の文学散歩だった
なぜ『辺境・近境』の「神戸まで歩く」をなぞって歩こうと思ったのか

今回の旅のきっかけは、ずいぶん前から頭の片隅に残っていた、ある情報でした。
村上春樹さんについてSNSやネットで調べている中で、関西地方にシリアル番号のような番号が振られたピザを出すお店がある、という話を見かけたことがありました。
それが何の本に出てくる話なのか、どの短編に収録されているのかも、当時はよく分かっていませんでした。
ただ、「村上春樹さんの作品に出てくるピザ屋さん」という情報だけが、ずっと自分の中に残っていました。
それから時間が経ち、村上春樹さんの小説やエッセイ、その他の本をいろいろ読んできたのですが、なかなかその作品にはたどり着かずにいました。
そんな中、ある日、古本屋さんで『辺境・近境』を見つけました。
何気なく手に取り、購入して読んでみたところ、そこに収録されていたのが「神戸まで歩く」でした。
そこでようやく、「ああ、あのピザ屋さんの話はこの作品だったのか」とつながりました。
読んだ瞬間に、「今年中には絶対に行こう」と決めました。
📚 まずは村上春樹『辺境・近境』を読むところから
今回の旅のきっかけになった「神戸まで歩く」は、村上春樹さんの『辺境・近境』に収録されています。実際に歩くなら、紙の本を持っていくと、現地で文章と景色を照らし合わせられてかなり楽しいです。
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この気持ちには、別の背景もあります。
以前、僕はブログでも紹介したことのある新宿のジャズ喫茶「DUG」さんが、今年の6月で閉店してしまうという話を知りました。
▶︎村上春樹『ノルウェイの森』にも登場した新宿DUGへ|65年の歴史に幕を下ろす老舗ジャズ喫茶・ジャズバーに誕生日に行ってきた - それはハッピーエンドなんだ
昔から気になっていたお店や、行きたいと思っていた場所、人に対して、「いつか行こう」と思っているだけでは、間に合わなくなることがある。
そのことを、最近より強く感じるようになっています。
大阪にも、芸人さんたちに愛されていたお蕎麦屋さんで、ずっと行きたいと思っていたのに結局行けなくなってしまったお店がありました。
そういう経験があるからこそ、最近は「行きたいお店には行く。会いたい人には会いに行く」という気持ちが強くなっています。
だから、今回のピザ屋さんも「いつか」ではなく、「今年中に必ず行く」と決めました。
そして、せっかく行くなら、ただピザ屋さんだけを目的地にするのではなく、作品になぞらえて歩いてみよう。
そうすれば、ただの食事ではなく、自分の中で特別な体験になるはずだ。
そう思って、ゴールデンウィークの関西行きを決めました。
5月1日の深夜、高速バスに飛び乗って関西へ

実は、今回の旅はかなり急に決めました。
4月30日と5月1日は普通に仕事をしていました。
そのため、ゴールデンウィークの前半からゆっくり関西に入る、という感じではありません。
5月1日の夕方に、その日の深夜バスを取り、そのまま飛び乗るような形で関西へ向かいました。
当初の予定としては、5月1日の深夜に高速バスで東京を出て、5月2日の朝に大阪へ到着。
そのまま神戸方面へ移動し、5月2日に西宮から三宮まで歩く。
夜は三宮周辺で宿泊し、5月3日は三宮周辺や気になる場所を散策。
その後、大阪に戻って少し観光し、東京へ戻る。
そんな流れを考えていました。
🚌 深夜バス移動は、軽量装備と快眠グッズがあるとかなりラク
今回は短期旅だったので荷物は少なめ。深夜バスで移動するなら、ネックピロー・アイマスク・耳栓・小さめのバックパックがあるとかなり快適です。
短期間の移動だったので、荷物がそこまで多くなかったのは救いでした。
歩くことがメインになる旅なので、身軽さはかなり大事です。
カメラ、本、着替え、最低限のガジェット類。
それくらいに抑えて出発しました。

深夜バスに揺られ、朝方に大阪へ。
ただ、ゴールデンウィークの影響なのか、到着は予定よりも1時間ほど遅れました。
この時点で少し計算外ではありましたが、まあ仕方ありません。
問題は、僕に神戸・西宮周辺の土地勘がまったくなかったことです。
作品は読んでいました。
でも、実際にどの駅からどこへ向かい、どの道を歩けばいいのかは、ほとんど分かっていませんでした。
そこで、大阪に到着するまでの時間に、GoogleマップやAIツールを使って少しルートを調べました。
この時点では、「まあ、調べればなんとかなるだろう」と思っていました。
しかし、ここでひとつ大きな落とし穴がありました。
AIにルートを聞いたら間違っていた。だから小説を読みながら歩くことにした

今回、歩くルートを調べるためにGeminiにも相談しました。
すると、村上春樹さんが西宮北口駅あたりから歩き始めたような形でプランを出してくれました。
でも、実際に小説を読み返してみると、そんなことは書かれていません。
作品の流れとしては、西宮から三宮まで歩くというものです。
西宮北口駅から始まるという話ではありませんでした。

このとき、「ああ、AIも普通に間違うんだな」と改めて思いました。
もちろん、AIは便利です。
僕自身、普段から仕事でも文章作成でもかなり使っています。
でも、今回のように文学作品のルートをなぞるような旅では、やはり原典にあたることが大事です。
特に村上春樹さんの作品は、細かい地名や道順、空気感が重要です。
その細部を飛ばして、AIが作ったそれっぽいルートを歩いてしまうと、まったく違う旅になってしまう可能性があります。
そこで、途中からは考え方を変えました。

小説を読みながら歩こう。
実際に『辺境・近境』を手に取り、作品の中に出てくる描写を追いながら、現地の地図と照らし合わせて歩くことにしました。
そうすると、不思議なことに、道が少しずつ見えてきます。
「これはこの道のことなのではないか」
「この小さな川は、作品に出てくるあの川かもしれない」
「この中学校へ向かう流れは、おそらくここだろう」
そんなふうに、文章と現実の街が少しずつ重なっていく感覚がありました。
これは、ただGoogleマップのナビ通りに歩くのとはまったく違います。
作品を読みながら、街を解読していくような感覚。
これこそが、文学散歩の面白さなのかもしれません。
📝 文学散歩には、紙の本+メモ帳も相性がいい
現地で気づいたことをメモしておくと、あとからブログにまとめるときにも便利です。トラベラーズノートや小さめのメモ帳があると、旅の記録がかなり残しやすくなります。
西宮から歩き始める。5月の晴天とサングラスが必要な陽気

紆余曲折ありつつ、実際に西宮の駅から歩き出したのは、だいたい10時半から11時くらいでした。
この日の天気は快晴。
5月の風が吹き、空は明るく、普通に歩いているだけでも少し汗ばむような陽気でした。
『神戸まで歩く』の中でも、5月のよく晴れた日の空気や、サングラスが必要なほどの光の強さが印象的に描かれています。
その文章と、この日の天気があまりにもシンクロしていて、「これは今日歩き切るしかないな」と思いました。
さらに、翌日の天気予報は曇りのち雨。
しかも、かなり強い雨になる予報でした。
結果的に、翌日の大阪は本当に大雨でした。
つまり、歩くならこの日しかなかったのです。
本来、作品の中では1日で歩き切っているわけではなく、2日にかけて歩いています。
なので、1日で西宮から三宮まで歩き切ろうとするのは、正直かなり無謀です。
でも、この晴天、この5月の風、このタイミング。
それらが重なったことで、「今日は行けるところまで行こう」ではなく、「今日のうちに神戸まで歩こう」という気持ちになりました。
そこから、僕の『神戸まで歩く』なぞり旅が本格的に始まりました。
🕶 5月の長距離ウォークは日差し対策がかなり大事
この日は本当にサングラスが必要なほどの晴天でした。文学散歩とはいえ、実際は20〜30km歩くので、サングラス・帽子・日焼け止めはあると安心です。
西宮神社、夙川、オアシスロードへ。作品と現実が重なり始める

西宮から歩き始め、まずは西宮神社方面へ。
そこから夙川のエリアに向かいました。
このあたりを歩いていると、関東出身の僕にとっては、関西の街の作りや駅の関係がとても面白く、同時に少し難しく感じられました。
阪急電車、JR、阪神電車。
同じような方向に向かっているのに、複数の路線が並行して走っている。
関東にももちろん複数路線はありますが、阪神間の駅や路線の感覚は、土地勘がないとかなり難しいです。

それでも、歩いているうちに少しずつ位置関係が身体に入ってきます。
電車で移動しているだけでは分からない距離感が、歩くことで分かってくる。

夙川に入ると、景色が一気に気持ちよくなりました。
川沿いの道、木々の緑、歩く人たちの雰囲気。
そして、作品にも出てくる風景と重なるような場所が現れ始めました。
特に印象的だったのが、夙川オアシスロード周辺です。
『辺境・近境』に掲載されている写真と同じような場所を見つけたときは、ひとりでかなり興奮しました。
「ここだ」
「これは、あの写真と同じ場所だ」
そう思える瞬間があると、疲れが一気に飛びます。


神戸まで歩くp271写真の場所
しかも、その場所が今でもしっかり残っている。
作品が書かれた時代からかなり時間が経っているにもかかわらず、令和の今も、村上春樹さんが見たであろう景色とほとんど同じものがそこにある。
これはとても不思議な体験でした。
村上春樹さんの作品を読んだことがある方なら、きっと同じようにワクワクするはずです。
📷 文学散歩には小さめのカメラも相性がいい
作品に出てきた場所と同じ景色を見つけた瞬間は、やっぱり写真に残したくなります。長距離を歩く日は、軽くて持ち歩きやすいカメラやスマホ用ストラップが便利です。
高層アパートとモノリスのような景色。震災後の街を歩くということ

作品の中には、海の方へ向かって歩く場面があります。
その中で、高層アパートが無機質に立ち並ぶような描写があり、写真も掲載されています。
実際に歩いてみると、その景色にも出会うことができました。

これがまた、とても不思議でした。
『神戸まで歩く』は、阪神・淡路大震災のあとに、村上春樹さんが自分の育った街や震災を受けた街を歩く作品です。
当然、今の街には当時の瓦礫や崩れた建物はありません。
街は復興し、生活が戻り、日常が続いています。
それでも、作品に記録されている景色と、今目の前にある景色が重なる瞬間がある。
そのことに、言葉にしにくい感情を覚えました。
時間は流れている。
街は変わっている。
でも、ある景色は残っている。
その残っているものの中に、自分が今立っている。
村上春樹さんが歩いたあとの時間を、自分がまた別の時代に歩いている。
そう考えると、単なる散歩ではなく、時間の層を歩いているような感覚になりました。
特にこの作品は、阪神・淡路大震災と切り離して読むことができない作品だと思います。

だからこそ、実際にその街を歩くと、ただ「村上春樹の聖地を巡っている」という軽い感覚だけでは済まないものがあります。
街の静けさ、道の普通さ、生活の気配。
そのすべてが、逆に重く感じられる瞬間がありました。
村上春樹さんが通った中学校の前へ。文章を頼りに街を歩く楽しさ

夙川オアシスロードから、村上春樹さんが実際に通っていた中学校の前を経由しました。
もちろん、学校そのものを観光地のように扱うべきではありません。
現在もそこに通っている人たちがいる場所ですし、必要以上に写真を撮ったり、立ち止まったりするべきではないと思います。
ただ、作品の中に出てくる道筋をたどりながら、その近くを静かに歩くことで、文章の中にあった風景が少しずつ現実味を帯びてきました。
作品には、小さな川を渡り、自分の通っていた中学校に向かうような描写があります。
現地を歩いてみると、「おそらくこの川のことを言っているのではないか」と思える場所に出会いました。
これは、現地に行かなければ分からない楽しさです。
本を読んでいるだけでは、川の幅も、道の曲がり方も、坂の感じも、周辺の空気も想像するしかありません。
でも実際に歩いてみると、文章の奥にあった地理が、自分の足元に現れます。
「ああ、こういうことだったのか」
そう思える瞬間が、何度もありました。
今回の旅で強く感じたのは、文学作品をなぞって歩くという行為は、単なる聖地巡礼とは少し違うということです。
好きな作家のゆかりの地を巡る楽しさもありますが、それ以上に、文章と現実の間を自分の身体で埋めていくような感覚があります。
これは、とても贅沢な読書体験でした。
六甲駅を過ぎたあたりでお祭り。そして緊急地震速報が一斉に鳴った

阪急六甲駅を過ぎたあたりで、お祭りが開かれていました。
ゴールデンウィークらしい賑わいがあり、人が集まり、屋台のような空気もありました。
長く歩いてきた身体にとって、人の多い場所に出ると少しほっとするような感覚もあります。
そんな中で、突然、あちこちのスマートフォンから一斉に緊急地震速報が鳴りました。
あの音は、何度聞いても慣れません。
しかも、ひとつのスマホからではなく、周囲の何十台ものスマートフォンから同時に鳴る。
お祭りのざわめきの中に、あの警告音が一斉に響いた瞬間は、かなり怖かったです。
今回僕は、阪神・淡路大震災後の街を歩いた作品になぞらえて神戸まで歩いていました。
その同じエリアで、歩いているまさにその日に、少し大きめの地震があり、緊急地震速報の音を聞く。
偶然なのは分かっています。
でも、完全に無関係とも思えないような、不思議な感覚がありました。
震災を経験した土地を歩く。
震災後の街を描いた作品を読みながら歩く。
その最中に、地震を知らせる音を聞く。
それは、今回の旅の中でもかなり強く記憶に残る出来事でした。
地震そのものの被害がどうだったかというより、あの音を、あの場所で聞いたこと。
それが、作品と現実の境目をまた少し曖昧にしたような気がしました。
マクドナルドで回復しながら、三宮を目指す

西宮から歩き続けていると、さすがに途中でかなり疲れてきます。
作品の中にも、途中でマクドナルドに立ち寄るような流れがあります。
僕も同じように、途中でマクドナルドに寄って少し回復しました。
こういうときのマクドナルドは、本当にありがたいです。
冷たい飲み物を飲める。
椅子に座れる。
トイレに行ける。
スマホの充電や地図の確認もできる。
文学散歩と言うと、少し優雅な響きがありますが、実際にはかなり体力勝負です。
特に今回のように、1日で20km以上、寄り道込みで30km近く歩くような旅では、途中の休憩がとても重要になります。
Apple Watchで計測したところ、この日の総歩行距離は約30kmになっていました。
作品の中では西宮から三宮まで約15kmほどとされていますが、実際には寄り道をしたり、迷ったり、行ったり来たりしたこともあり、かなり距離が伸びました。
おそらく、きちんと最短に近いルートで歩けば、20km〜25kmくらいでゴールできるのではないかと思います。
ただ、村上春樹さんゆかりの場所や、図書館、本屋さん、公園などにも立ち寄るなら、30kmくらいを見ておいた方が安心です。
歩くこと自体に慣れていない人が、いきなりこの距離を歩くのは少し大変かもしれません。
ただ、午前中から歩き始めれば、夕方には三宮周辺に到着できるはずです。
大事なのは、無理をしすぎないこと。
水分補給、休憩、日差し対策。
このあたりはかなり重要です。
🥾 20〜30km歩くなら、足元と水分補給はかなり重要
今回のような長距離散歩では、靴選びと水分補給で疲れ方がかなり変わります。文学散歩とはいえ、実質はロングウォーク。歩きやすいシューズと軽量ボトルがあると安心です。
三宮に到着。二宮温泉で汗を流してから、ピノッキオへ

歩き続けて、最終的に三宮の街へ到着しました。
作品の中では、ホテルで汗を流してからピザを食べに行くような描写があります。
ただ、僕はこの時点で宿を取っていませんでした。
そこで向かったのが、三宮周辺にある二宮温泉です。

長距離を歩いたあとに入る銭湯は、本当に最高です。
汗を流し、足の疲れを少しほぐし、身体をリセットする。
そのうえで、旅のゴールであるピザ屋さんへ向かう。
これは、自分なりの「神戸まで歩く」の締め方として、とても良かったと思います。
♨️ 銭湯・サウナ旅には速乾タオルがあると便利
長距離を歩いたあとに銭湯へ寄るなら、薄手の速乾タオルや小さめの着替え袋があると荷物がまとまりやすいです。旅先の銭湯・サウナ巡りにも使えます。
そして向かったのが、神戸の老舗ピザ店ピノッキオです。

このピノッキオについては、また別の記事でしっかり紹介したいと思っています。
ただ、今回の旅のゴールとしては、本当にふさわしいお店でした。
作品と同じように、ビールを2杯飲み、シーフードピザを食べました。
長く歩いたあとのビールとピザ。
それはもう、説明するまでもなく最高です。
ピザはとにかく美味しかったです。
そして、「ここまで歩いてきた」という実感が、その美味しさを何倍にもしてくれました。
ただお店に行って食べるピザと、30km近く歩いてたどり着いて食べるピザは、まったく別のものです。
味だけではなく、そこに至るまでの時間や疲れや風景が、全部一緒にのってくる。
このピザを食べたことで、今回の旅はきれいに完結した気がしました。
※ピノッキオの詳細はまた別記事で紹介予定です
小説の世界に身体ごと入る。村上春樹作品をなぞって歩く楽しさ

今回の旅で一番強く感じたのは、好きな小説家の作品になぞらえて実際に歩くという行為の面白さです。
本を読むだけなら、自分の頭の中で世界を想像します。
それはそれで素晴らしい体験です。
でも、今回のように実際にその街を歩くと、作品の世界に身体ごと入っていくような感覚があります。
本の中に出てきた川が、目の前にある。
写真に写っていた場所と同じ風景が、今でも残っている。
村上春樹さんが歩いたかもしれない道を、自分も歩いている。
そして、その先に、作品に登場したお店が今もある。
これほど楽しいことは、なかなかありません。
特に『神戸まで歩く』は、ただの旅エッセイではなく、震災後の街、個人の記憶、土地の記憶が重なった作品です。
だから、同じルートを歩くことには、単なるファンとしての楽しさ以上のものがありました。
もちろん、村上春樹さん本人と同じものを感じられるわけではありません。
僕は関東出身で、神戸や西宮で育ったわけでもありません。
震災当時の街を自分の記憶として持っているわけでもありません。
それでも、歩くことで少しだけ、その土地の時間に触れられたような気がしました。
文学作品の舞台を歩くというのは、作品を“理解する”ためというより、作品と自分の距離を少し変える行為なのかもしれません。
読んでいた作品が、歩いた作品になる。
紙の上にあった文章が、自分の足の疲れや、汗や、風や、匂いと結びつく。
それは、かなり特別な読書体験でした。
今回のルートと歩行距離。目安は20〜30kmくらい

今回、僕はApple Watchで徒歩ルートを計測していました。
その結果、最終的な歩行距離は約30kmになりました。
ただし、これはかなり寄り道を含んだ数字です。
西宮から三宮までまっすぐ歩くだけであれば、ここまでの距離にはならないと思います。
今回の大まかな流れは、以下のような感じです。
- 大阪に深夜バスで到着
- 西宮方面へ移動
- 西宮駅周辺から歩き始める
- 西宮神社方面を経由
- 夙川・オアシスロード周辺へ
- 村上春樹さんゆかりの道や中学校周辺を静かに歩く
- 海側の景色や高層アパート群を見る
- 岡本周辺を通過
- 途中でマクドナルド休憩
- 三宮方面へ
- 二宮温泉で汗を流す
- ピノッキオでピザとビール
実際に歩いてみたい方は、20〜25km程度を基本の目安にしつつ、寄り道込みで30km前後になる可能性があると考えておくと良いと思います。
朝の10時〜11時くらいに歩き始めれば、休憩を入れながらでも夕方には三宮に到着できるはずです。
ただし、夏場はかなり暑くなると思うので、春や秋の気候の良い時期がおすすめです。
僕が歩いた日は5月の晴天で、サングラスが必要なほど日差しが強かったです。
歩いているだけで汗ばむくらいだったので、水分補給と日差し対策は必須だと思います。
⌚ 歩いた距離を記録するならApple Watchが便利
今回のように30km前後歩く旅では、歩行距離やルートを記録できると、あとから記事や旅の記録として振り返りやすくなります。歩数や心拍数も見られるので、長距離ウォークの目安にもなります。
村上春樹さん好きが同じルートを歩くなら持っていきたいもの
今回のような文学散歩、長距離散歩をするなら、持ち物もけっこう大事です。
特に村上春樹さんの「神戸まで歩く」をなぞるなら、作品が収録されている『辺境・近境』は持っていくのがおすすめです。
スマホで調べるだけではなく、本を開きながら歩くことで、かなり体験が変わります。
📚 村上春樹『辺境・近境』を探す
「神戸まで歩く」を読むなら、まずは『辺境・近境』から。文庫版・中古本など、在庫や価格を見比べながら探すのがおすすめです。
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※本ページはAmazonアソシエイト・楽天アフィリエイトを利用しています。価格・在庫はリンク先でご確認ください。
また、長距離を歩くなら、歩きやすい靴、サングラス、軽いバックパック、モバイルバッテリーも必須です。
🚶 長距離散歩・文学散歩にあると便利なもの
西宮から三宮まで歩くなら、日差し対策と足元の快適さがかなり大事です。特に5月の晴天日は、サングラスと水分補給が必須でした。
Amazonでアウトドア用サングラスを探す Amazonで歩きやすいシューズを探す
特に今回は、Apple Watchで歩行距離を計測していたので、歩いた距離やルートが可視化されて面白かったです。
文学散歩や長距離散歩をする人には、スマートウォッチでの記録もかなりおすすめです。
⌚ 歩いた距離を記録するならスマートウォッチも便利
今回のように30km前後歩く旅では、歩行距離やルートを記録できると、あとから記事や旅の記録として振り返りやすくなります。
村上春樹さん関連の場所も、また別記事で紹介したい

今回の旅では、「神戸まで歩く」のルートだけでなく、周辺にある村上春樹さんに関連する場所にもいくつか立ち寄りました。
たとえば、おさるの公園。
村上春樹さんに関連する図書館。
そして、村上春樹さんが若い頃に通っていたと言われる本屋さんなど。
このあたりは、今回の記事にすべて詰め込むとかなり長くなりすぎるので、また別の記事で紹介したいと思っています。
▶︎2026/05/11更新しました
村上春樹ゆかりの芦屋を歩く|芦屋市立図書館打出分室・打出公園・芦屋宝盛館をめぐる文学散歩 - それはハッピーエンドなんだ
ただ、実際に歩いてみて感じたのは、西宮・神戸周辺には、村上春樹さんの作品や人生に触れられる場所がかなり点在しているということです。
東京にいると、村上春樹さんという作家はどこか抽象的な存在として感じられます。
でも、西宮や神戸を歩くと、その背景にある街や空気、坂や川、学校や本屋が、少し具体的に見えてくる。
それは、ファンにとってかなり楽しい体験です。
今回の「神戸まで歩く」ルートをきっかけに、村上春樹さんの関西時代にまつわる場所を巡ってみるのも、とても面白いと思います。
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「神戸まで歩く」を読んでから西宮・神戸を歩くと、村上春樹さんの作品に出てくる土地や空気の感じ方が少し変わります。関連作品もあわせて読み返すと、文学散歩がより深く楽しめます。
今回も最後まで読んでくれありがとうございます。
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今回のように関西を歩く旅は、移動と宿を早めに押さえておくとかなり動きやすいです。神戸・大阪・京都を組み合わせる旅にもおすすめです。
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