
ぼくは音楽が大好きで、高田渡さんも大好きなのに、なぜこの曲のことやこのお店のことを少し忘れていたのか。
ある人との出会いをきっかけに、その記憶がふっと戻ってきました。
京都の喫茶店といえばいくつも有名なお店がありますが、今回あらためて足を運んだのは、三条境町にあるイノダコーヒ本店です。
京都には、観光名所として有名なお寺や神社がたくさんあります。でも、街を歩いていて本当に記憶に残るのは、こういう喫茶店で過ごした時間だったりします。コーヒーの香り、タマゴサンドの味、店内の空気、隣に座る人の声、窓から見える景色。そういう細部が、旅の印象を濃くしてくれるんですよね。
この記事では、京都放浪中の夜に出会った人との会話からはじまり、翌日実際にイノダコーヒ本店を訪れた体験をもとに、三条境町のイノダコーヒの魅力を書いていきます。
京都の老舗喫茶店が好きな方、高田渡さんの音楽が好きな方、京都らしい喫茶店時間を味わいたい方の参考になれば嬉しいです。
- きっかけは真夜中のゲストハウス
- 三条へいかなくちゃ。京都の老舗喫茶店イノダコーヒ本店へ
- イノダコーヒ本店でコーヒーとタマゴサンドを食べる
- 高田渡の歌と、あの場所がつながる感覚
- 宿酔。京都の朝と、少しだけ残る夜の熱
- 京都の老舗喫茶店・イノダコーヒ本店はこんな人におすすめ
- まとめ|三条境町のイノダコーヒ本店は、京都で出会いたい喫茶店だった
- 関連記事
きっかけは真夜中のゲストハウス

相も変わらず、毎日京都で呑んだくれていたんですが、この日は大阪・梅田で飲んでから京都へ戻ってきて、木屋町にある門扇というラーメン屋で食事をし、そのあとお酒を買ってゲストハウスへ戻ってきた夜のことでした。
ラウンジに、渋い雰囲気のかっこいい方がひとりでお酒を飲んでいたんですよね。
酔っ払っていたぼくたち二人は、いつものようにわりと馴れ馴れしく声をかけました。
その方は、仕事で京都に来ているセキサカさんという方で、とても気さくにいろいろ話をしてくれました。ぼくの好きな音楽とも共通点があり、すぐに打ち解けられたのを覚えています。
こういう出会いが、ゲストハウスの一番好きなところなんですよね。
ホテルだと、どうしても自分の部屋に戻って終わりになってしまう。でもゲストハウスだと、夜ふらっとラウンジへ降りたところから、旅の別の物語が始まったりする。あの感じが好きです。
知らない土地で、知らない人と、音楽や旅や文学の話をする。なんでもないようでいて、旅の濃度が一気に上がる瞬間でした。
宇宙と瞑想、コーヒーと高田渡
夜も深まり、気づけば深夜2時過ぎまで話し込んでいました。
ぼくの今までの旅の話、ナツキの旅の話、セキサカさんの若い頃の話、京都の話。話題はあっちへ行ったりこっちへ行ったりしながら、でも不思議と全部つながっていて、どんどん熱くなっていく感じがとても楽しかった。
その中で高田渡さんの話になって、セキサカさんが「そうそう、京都といえば……」と話してくれたのが、三条境町にあるコーヒー屋、イノダのことでした。
しかもセキサカさんは、一度高田渡さんともお会いしたことがあるそうで、その話を聞いているうちに、高田さんの存在が急にぐっと近くなったんですよね。
高田渡さんの歌には、街の匂いや人の暮らしや、少しだけ酔った心の揺れみたいなものが滲んでいて、ぼくは昔からずっと惹かれていました。
その高田さんと結びついた場所が、今自分が滞在している京都のすぐ近くにある。そう思ったら、翌日行かない理由なんてありませんでした。
音楽を聴いていて、曲の中に出てくる場所に実際に行けるというのは、本当に特別です。ただの観光ではなく、歌の中に自分が入っていく感じがあるんですよね。
三条へいかなくちゃ。京都の老舗喫茶店イノダコーヒ本店へ

高田さんが「あの娘に逢いにきた」イノダさんの入口は、この建物の右側の扉から入っていくのですが、最初はこっちの建物もイノダさんのものなんだと少し驚きました。
白が基調になっていて、京都の町並みの中にありながら、どこか洋館のような上品さもあって綺麗でした。
イノダコーヒ本店の公式店舗情報はこちらです。
旅先で老舗喫茶店に入るときって、ちょっと緊張しますよね。地元の人に長く愛されている場所ほど、観光客の自分がそこへ入っていくのは少しだけ背筋が伸びる感じがある。
でも、イノダコーヒ本店はその緊張ごと含めて楽しかったです。
外から見たときの品のある佇まいもそうだし、扉を開けたときの空気もいい。老舗喫茶店にしかない時間の流れ方がちゃんとあるんですよね。
イノダコーヒ本店でコーヒーとタマゴサンドを食べる

ランチタイムに行ったぼくは、アラビアの真珠というホットコーヒーと、タマゴサンドをいただきました。
普段そこまでコーヒーを飲むタイプではないのですが、それでもとても美味しくいただけました。
タマゴサンドは、ほんの少しからしが効いていて、その風味が鼻から抜けていく感じがなんとも小洒落ていて良い。たまごのやさしい味だけではなく、ちゃんと喫茶店らしい締まりがあるんですよね。
量もしっかりあって、食べ終わるころにはかなり満足感がありました。
喫茶店のタマゴサンドって、シンプルに見えてお店ごとの差がかなり出るメニューだと思っています。イノダのタマゴサンドは、昔ながらの喫茶店の安心感がありつつ、ちゃんと「ここで食べる意味」がある味でした。
ランチタイムだったのでお客さんは多く、店内の写真は撮れませんでしたが、店内は広くて、人と人のあいだの距離がしっかりありました。
THE喫茶店、という感じの空間で、「間」を楽しめる場所になっていました。
今のカフェって、どうしても効率よく回転していくような空気を感じることがありますが、イノダコーヒ本店にはそれとは違う余白があるんですよね。急がせない感じ、座った人の時間をそのまま許してくれる感じ。
そういう意味でも、京都らしい喫茶店だなと思いました。
家でも喫茶店っぽいコーヒー時間を楽しみたい方は、こんなふうに探すのも楽しいです。
Amazonで探す:イノダコーヒ アラビアの真珠をAmazonで見る
高田渡の歌と、あの場所がつながる感覚
ぼくが通されたのは旧館のカウンターだったので、この動画で高田さんが実際に歌った場所が見えるところでした。
こういうのって、音楽が好きな人間からするとかなり特別なんですよね。
ただ「有名なお店に行った」という話ではなくて、自分が好きで聴いてきた音楽が実際の場所と結びつく。その瞬間に、歌が少しだけ立体的になる感じがあるんです。
歌詞の中の風景や、そこで鳴っていた空気が、少しだけ現実のものとして触れられる。
京都旅の中で、こういう音楽体験ができたことは、自分にとってすごく貴重でした。
ゲストハウスでの出会いがなかったら、きっと今回は行かなかったお店だったと思います。そして、もし行かなかったら、あとで絶対に後悔していた気もします。
旅って、観光名所の多さよりも、こういう偶然の導線があるかどうかで記憶の深さが変わるんだなと思いました。
高田渡さんの音楽が好きな方は、音源もあらためて聴き返したくなると思います。
宿酔。京都の朝と、少しだけ残る夜の熱
セキサカさんとは、中原中也の話や、音楽、文学、旅、人生など、本当にいろんな話をしました。
今、この記事を書いているときも少しだけお酒が残っていて、その気持ちのいい酔いが、まるで宿酔のようだなと思います。
朝、鈍い日が照つてて
風がある。
千の天使が
バスケットボールする。
私は目をつむる、
かなしい酔ひだ。
もう不用になつたストーヴが
白つぽく銹(さ)びてゐる。
朝、鈍い日が照つてて
風がある。
千の天使が
バスケットボールする。
朝、バスに揺られて四条河原町に着くころ、千本中立売の通りのことを思い出す。
まるで自分が京都人にでもなったような気分で、四条通りを歩く。日曜日の街は観光客で賑わっているけれど、それでもどこか静かな芯があるのが京都の不思議なところです。

旅の中で出会った人や言葉って、あとからじわじわ効いてくるんですよね。その場ではただ楽しかっただけの夜が、翌日の喫茶店の時間を通じてひとつの記憶になっていく。
今回のイノダコーヒ本店も、まさにそういう場所でした。
京都の老舗喫茶店・イノダコーヒ本店はこんな人におすすめ
実際に行ってみて、イノダコーヒ本店はこんな人にかなりおすすめだと思いました。
- 京都らしい老舗喫茶店を体験したい人
- 観光だけでなく、京都の日常の空気にも触れたい人
- 高田渡さんや京都の音楽文化に惹かれる人
- 喫茶店でゆっくりコーヒーと軽食を楽しみたい人
- タマゴサンドが好きな人
逆に、サッと入ってサッと出るようなスピード重視のカフェ使いをしたい人には、少し違うかもしれません。
でも、旅先で一度くらいはこういう「時間を味わうための店」に入るのって、かなり大事だと思います。
京都には新しいカフェもたくさんありますが、イノダコーヒ本店のように長い時間を積み重ねてきた喫茶店には、それだけでしか出せない空気があります。
まとめ|三条境町のイノダコーヒ本店は、京都で出会いたい喫茶店だった
✅ 三条境町のイノダコーヒ本店は、京都らしい老舗喫茶店の空気をじっくり味わえる場所だった
✅ ゲストハウスでの偶然の出会いが、お店へ向かうきっかけになった
✅ アラビアの真珠とタマゴサンドは、喫茶店時間をしっかり満たしてくれる組み合わせだった
✅ 高田渡さんの歌と実際の場所がつながる体験は、音楽好きにはたまらない
✅ 京都旅では、観光地だけでなく喫茶店で過ごす時間も強く記憶に残る
✅ 人との出会いが旅の導線を作ってくれることを、あらためて感じた
京都にはたくさん行きたい場所がありますが、今回のイノダコーヒ本店のように、「誰かの話をきっかけに行く場所」ってやっぱり特別です。
自分ひとりで調べて見つけるのも旅ですが、人から手渡されるように教えてもらう場所には、また別の温度があります。
もし京都でどこか良い喫茶店に行きたいなと思っているなら、三条境町のイノダコーヒ本店はかなりおすすめです。
コーヒーも、タマゴサンドも、空間も、そしてその場所に流れてきた音楽の記憶も含めて、ちゃんと良い時間をくれる喫茶店でした。
今回も最後まで読んでくれてありがとうございます。
このブログでは、旅・音楽・写真・日常について、これからも気ままに書いていきます。
よかったら読者登録もよろしくお願いします。




